原 文

一 竹島松島朝鮮附属ニ相成候始末

此儀 松島は竹島之隣島ニ而 松島之義ニ付是迄掲載せし書留も無之 竹島之義ニ付而は元祿度之往復書翰手續書写之通ニ有之 元祿度後は暫く之間朝鮮より居留之もの差遣置候処 当時は以前の如く無人と相成 竹木又は竹より太き葭を産し人参等自然に生し其餘漁産相應ニ有之趣相聞候事

右は朝鮮國事情實地偵索いたし候処大略書面之通御座候間一ト先歸府仕候 依之件々取調書類絵圖面とも相添此段申上候 以上

    午四月
                          外務省出仕
                             佐田白茅
                             森山茂
                             斎藤栄


現代文

一 竹島と松島が朝鮮附属になった事情

この件につき、松島は竹島の隣島で、松島の件につきましては、これまで掲載した書類もありません。 竹島の件につきましては、元禄時の往復書簡、手続書写しの通りでした。 元禄時、後の暫くの間、朝鮮より居留の者を送っていましたが、現在は以前のごとく無人となり、竹木又は竹より太い葭を産し、人参等も自然に生じ、そのほか漁獲も相応にあると聞きました。

右は朝鮮国の事情を実地偵索いたしましたところ、大略、書面の通りでございましたので、ひとまず帰任いたしました。ご下命の件、取調べ書類絵図面とも添付しまして、ご報告申し上げます。 以上

    明治三年四月
                          外務省出仕
                             佐田白茅
                             森山茂
                             斎藤栄